GIMHAE NATIONAL MUSEUM
展示広大な金海平野を眺めながら;海に生きた加耶人の物語
加耶の王都·金海には、韓国で指折りの広い平野が広がっています。しかし、広々とした田んぼ、ビニールハウス、葦原、そして滑走路が伸びているこの地は海でした。ここを生活の場としていた加耶人たちは、船を作り、海に向ったのです。海は加耶人に多くの食べ物を提供しただけでなく、海を繋ぐ船路も開いてくれました。
慶尚南北道の各地をつなぐ洛東江が海と接するここ金海は、物流流通の中心地になりました。交易は彼らにとって最も重要な生業活動でした。洛東江の船路を利用して内陸地方との交易は海上交易へと行われました。活発な海上交易を通じて、加耶は隣国、特に海を越えた倭にとっては、なくてはならないパートナーにもなりました。海上交易から得た付加価値は、加耶社会の成長において主な基盤となりました。海に頼った彼らの文化には、多様性、開放性、独立性、開拓精神が色濃くみられます。異なる文化的伝統が共存し、時には融合することもあった加耶人の痕跡は、加耶の遺跡と遺物に残されています。海は、加耶発展の原動力であると同時に、ついに一つにまとまれなかった障害物でもありました。海とそれに込められた加耶の人々の痕跡にスポットを当てる今回の展示が、加耶文化の特殊性を理解する第一歩になることを期待しています。